政府機関
ブラジル、マセイオ市保健局
ブラジルのマセイオ市がWhatsAppを使って医療アクセスを向上させる
ブラジルのアラゴアス州マセイオ市保健局は、市民の医療へのアクセスと効率の向上に取り組む公的医療機関です。「コミュニケーションが向上すれば、医療へのアクセスも向上する」というミッションを掲げる同局は、デジタルツールの活用によって、市民とのエンゲージメントやサービス提供を効率化することを目指しました。
課題
ブラジルの統一医療システム(Sistema Único de Saúde、SUS)の一部であるマセイオ市の公的医療システムは、常に課題を抱えています。それは、来院や検査の欠約率が高いということです。こうした無断キャンセルは、リソースの浪費や医療能力の低利用率、生活に欠かせないサービスへの待機リストの拡大につながっていました。また、手続きのプロセスも不便で非効率的なため、市民は予約だけであっても対面で申請しなければならないことがよくありました。そのため、アクセスに障壁が生じており、特に社会的弱者がその影響を受けています。
医療システムと患者とのコミュニケーションが不十分なため、多くの市民が予約のことを忘れたり、検査に備えていない場合が少なくありませんでした。一貫したデジタルコミュニケーションチャネルがなければ、市民にタイムリーな通知を届け、参加を促したり、治療を中断していた人に再リーチしたりする効果的な手段はなかったことになります。こうした課題が重なると、システムの効率が低下し、市全体の医療アウトカムに悪影響をもたらしました。
解決策
これらの課題を解決するために、マセイオ市はWhatsApp Businessプラットフォームを医療予約プロセスに組み込み、市民が利用しやすい直接のコミュニケーションチャネルを構築しました。マセイオ市は、WhatsAppを使用して、予約の確認、準備に関する案内、時間的制約のあるリマインダーなどのユーティリティメッセージと、市民への情報提供や予防医療プログラムの宣伝、公衆衛生サービスの利用継続の促進を目的とした継続的なマーケティングメッセージを組み合わせました。WhatsAppは、初期のアウトリーチや予約管理からフォローアップケアや予防医療に関する継続的なコミュニケーション(遠隔モニタリングやテレヘルスケアサービスを含む)まで、医療のあらゆる段階で継続的なエンゲージメントを可能にします。
このやり取りをデジタル化することで、市民は多くの窓口を対面で訪れる必要がなくなり、医療へのアクセスがより便利で迅速なものになりました。会話型アシスタントが配信する自動メッセージが重要な役割を果たし、タイムリーなコミュニケーションを実現すると同時に、管理上の負担を軽減しました。複数のやり取りを1つのスレッドにまとめることで、マセイオ市は市民との双方向コミュニケーションをスムーズにし、問い合わせの量を減らし、市民と医療制度の信頼関係を強化できました。このアプローチは、医療運営を効率化しながら、市民にとってより迅速で利用しやすいシステムを実現することを目指しています。

成果*
この取り組みにより、毎月数百万件のメッセージ、高い利用率、数千件の予約回復など、強力なエンゲージメントが促進されました。無断キャンセルが減り、効率が向上し、満足度70%を達成できたほか、モバイルデバイスからアクセスしやすくなるなど、市民のサービス利用が促進されました。同市のSUS利用者の約75%がこのプラットフォームに登録しています。WhatsAppのユーティリティメッセージとマーケティングメッセージを適切なタイミングで送信することで、市民の出席率とリエンゲージメントを高め、各種医療プログラムへの参加を維持しました。この取り組みは、AIを活用したトリアージやアクセシビリティの強化によって進化を続けています。
約400万
1か月にやり取りされるメッセージの数
9万人以上
アクティブな接続ユーザー数
15万人
予約の確認
わかったこと
1.オーディエンスがすでに利用している場所でリーチする: WhatsAppを利用することで、信頼できる既存のチャネルを活用できました。そのため、新しいアプリやコミュニケーションプラットフォームを導入するよりも、導入の迅速化やストレスの軽減化が実現しました。
2.タイミングよくメッセージを送信してアクションを促す: 自動化されたリマインダーや確認通知によって迅速な対応を促すことができました。これにより、タイムリーなコミュニケーションが行動に影響を与え、機会を逃す可能性が減ることがわかりました。
3.参加を増やすための障壁を取り除く: 予約管理を数回のチャットでのやり取りに簡素化することで、エンゲージメントが高まりました。手順を減らすことで利用者のフォローアップが向上することを示しています。
4.一方的な発信ではなく、双方向のやり取りをデザインする: 確認、キャンセル、日時変更などの双方向的なメッセージによってエンゲージメントのループが生まれ、会話が一方的な通知よりも優れていることが証明されました。
5.エンゲージメント指標を実際の成果と関連付ける: インタラクション、確認、予約回復をトラッキングすることで、市民へのアウトリーチを具体的な行動や業務上の成果と関連付けることの重要性が示されます。
6.ユーティリティメッセージとマーケティングメッセージを組み合わせる: 1つのチャネルの中で情報発信と継続的なアウトリーチを統合することで、満足度の向上、関係の強化、継続的なオプトインの促進を図ることができます。
